一夜干しの鯵のヒラキとウイーン在住中国人製豆腐、ハンガリー産しいたけ、それに三河産の海苔と……。 中途半端に遅い昼を外で食べてしまったのでちょっと迷ったが一念発起、カリフォニア産錦を2合半といでねぎを刻んでと、日本風夕食をつくることに決定!
一度中断した作品集制作になかなか戻れない、明日から再開などと言ってはみるものの明日になればまた明日、のどちんこにささった小骨のように一日中気になって仕方ない。一つのことにしか集中できない不器用さのことが思われて、なんとかこの性格を大改造したいと願うが、さてどこからと考えるとすぐに行き詰まるありさま。
最近友人が何冊かの本を送ってくれたので、雑用のつなぎ時間には極力読書にうちこんでいる。きっと子供の頃の生活環境から来たのだろうが、一人静かな環境を必要とする読書という習慣は身につかなかった、そして「外国」生活に入ってからさらに日本語が疎遠になった。でも、この数年来日本との「文化交流」がにわかに活発化しつつあり、それに合わせるように日本語への接近が急テンポで進んでいるような感じがしている。写真表現も結局元をただせば言語、思考の構築は言語によってなされるので、いかに言葉で表せないような表現といっても、もうすでに言葉をつかっているわけで、写真を感じ知覚するその内容も言語に還元されて認識されるわけだから、やっぱり言語なしでは写真も意味をなさないということだろう。
あまり理屈に走るとボロがでそうだが、写真の術を全うするためにはやはり言語に長けるべきという些細な結論に達したというわけ。そうするとつなぎの間の読書も次の作品集のための準備作業といえないこともない、まことに理にかなった気休めとなる。ひょっとしたら和洋折衷らしかった?作風に変化が生じるかもしれない。
やっぱり日本食が最高、この何ともいえない開き鯵の香りと味、ご飯に海苔をのせてそれを箸で包みとり醤油にちょっとつけて、ご飯の熱気と海苔の香りがうまい具合に溶けあって、あっという間に三杯、今日は夜食なしだ。