
ショート・パーフォマンスが終ったらしくロビーに人が流れだし、その中に「東洋人」を発見、その日の心調にもよるのだが何故かその人と話したくなった。友人と一緒だったこともありさっそく実行、その人は主催者側から招待されて高知より出かけてきたという。早速名刺をもらう、挨拶談義も一段落した頃、「鶏鍋でも食べに」と誘ってみた。一応被招待者、すべてのパーフォマンスを見なければいけないとは言いつつ鍋の魅力に心は揺らぎといったパーフォマンス、中をとってもう一つ見てから出かけましょうということになった。

高知といえば「カツオ」ぐらいしか思い当たらないが、最近読んだ本でも70年代消息をたちやがてピョンヤンで「よど号」メンバーの一人岡本武の妻となっていたことが判明した福富貴美子という女性の出身地も高知だったと知った。これといった産業もなく人口35万ほどの街もどんよりした雲に覆われたような雰囲気、少なくとも文化的側面から見たらそんな感じかなという印象を受けた。日本のどこの地方都市でも同じようなもの、とにかく本当の意味で日本にはヴィジョンが不在、行く先が分からないという大病に病んでいる、病の囲いのなかでぐるぐる回りしている、という感じではないかとしばし鍋を囲んで憂国談義。高知県立美術館館長の少し疲れた様子も旅のせいだけではなさそうだ。