
「学芸員、学芸員に刺される」がまだ離れない、そんな朝を迎えてブラインドを開けたら真白、夜中に大雪が降ったようだ。はたして車がガレージから出るか心配したが、なんとかだましながら成功、天気予報を気にしつつ、でも今日中にラボに注文しないと間に合わないということで一路ウイーンへ。もうグラーツに写真ラボがなくなってから久しい、とにかくデジタル時代、ラボの需要などまったくなくなったということらしい。往復400キロ、丁度中央線に乗って上諏訪までプリント注文に出かけて帰ってくる距離と同じ、東海道線でいうと藤枝までの往復。えっと思うが渋滞なしの高速で2時間弱、ついでに次の作品集のために清書仕事を依頼した女性を訪ねて、日本食を買い込んで、魚屋を回ってと充実したウイーン行きとなった。

ロンドンではたった20cmほどの雪でほぼすべての機能がマヒとのことだが、さすが雪の国、周りは大雪でも高速スイスイ、交通量も少なく気分爽快、なんとなく心が弾むような不思議な心持、ブラームスが59歳の時に創ったピアノ小曲が飛び込んでくる冬の白黒風景のなにかしら心悲しい気配に凛々しさを与えているような感じ。学芸員の一人を直接知っていたし、僕とクリスティーネの「関係」と僕の「事件」との「係わり」如何やと半公開質問状らしきものをもらったりしていたので、なにをいわんかやと思ったりした。質問には一年たった今でも答えてないがもうこたえる必要も意味もなくなったと思っている。

本当に珍しくわりと新鮮なアジを見つけた。帰ってさっそくひらき造り、さばいてしばらく海塩水に漬けて乾かしてグラーツひらきの完成だ。ちょっと沼津のホテルで食べたひらきには敵いそうにもないが、なにはともあれ立派に開き直った答えを数日後には期待している。