きのうついに暖房循環系の余水タンクの交換を最後に全ての工事が終わった。足腰ガタガタ、3ヶ月間の疲労が抜けない、息つく間もなく明日からスイスへ。天気予報は最悪、雨と雪、一気に700キロはキツイと判断、予定を変更して明日サルツブルグまで出かけ、そして日曜にミューへンを経由してスイスに入ることにした。インスブルック経由は避けた、峠を幾つも越えなければならず、大雪でも降ったらお手上げだ。とにかく長時間運転に自信がないし、鳥目?かも、暗くなるとよく見えない。複雑な税関処理が待っていると思うと、出かける直前になっても重い気分が変わる気配まったくなし。
話せば長くなるが、400点!あまりの自分の写真をスイスからグラーツに移動するのが今回のミッション、スイスがEC共同体に加盟していないために、通関処理をしなければならない。作品はほとんどが95年にWinterthurの美術館での個展で展示したもの、それがN.Y.の契約ギャラリーに転送され、そこでさらにスイスのギャラリーに移転、このギャラリーが昨年倒産、N.Y.からスイスに戻された作品が入管処理されたために、国外に、つまりオーストリアに取り戻す、というはなし。自分の作品であるにも関わらず輸入税を払わなければならない。
90年半ば頃からいくつかのギャラリーと契約、共同作業をしてきたが、いずれも最悪な状態で関係をきるという経験をしてきた。人を、個人を信用しての結果だけに、「ギャラリー」という言葉のイメージはどんどん悪くなっていく。裏切られる、というのが常だ。何時の場合も泣き寝入りするのは作家と限っている。僕だけかと思うと、どうやらそうでもないらしい。今詳しく立ち入って話す気持ちはないが、いずれ落ち着いたらこの辺のことをも、と思っている。今回の回収作戦も本来全てギャラリーの履行範囲に入っているのだが、倒産、つまり会社が存在しない、責任者が不在、ということで一切を本人がするしかない。国際的に作品がますます商品化していく中で、作品を売らなければ生きていけないアーティストにとって「代理店」は欠かせないものになっているようだが、痛し痒しといったところか。現在もドイツのあるギャラリーから誘いがあるのだが、返事を書かずにいる。
長期の放浪の間に作品データは散逸、税関書類と作品内容が一致しないという大問題を抱えてのスイス行き、必ず14日には帰ってくる予定だが、如何なる結果となるかまったく想像できない。しかしこれさえ済めば何とか色々あった一年も終わり、晴れて正月を迎えられるだろうという一抹の希望もある。